お知らせ

令和6年度入学式を行いました

階層

令和6年度入学式が4月3日(水曜日)に本学大講義室にて挙行され、学部生176名・助産学専攻科9名・保健医療科学研究科博士前期課程23名・博士後期課程6名の計214名が大学での新たなスタートを切りました。

各学科・研究科長が新入生の名前をひとりひとり読み上げた後、学長から式辞が述べられました。また、茨城県知事をはじめ、多くの方々から新入生への期待にあふれたビデオメッセージをいただきました。新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

令和6年度入学式1
令和6年度入学式2
令和6年度入学式3
令和6年度入学式4
令和6年度入学式5
令和6年度入学式6
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令和6年度 茨城県立医療大学入学式 学長式辞

令和6年度茨城県立医療大学入学式学長式辞

新入生の皆さん誠におめでとうございます。茨城県立医療大学を代表して心から祝福し、歓迎いたします。

新入生の皆さんはもちろん、大学、助産学専攻科、大学院、それぞれの進学に向けて多くの努力を費やしてきた皆さんを、深い愛情を持って支えてこられたご家族の方々やご関係者の皆様におかれましても、たいへんお喜びのことと存じます。

つぼみのままだった桜の木々も皆さんの入学に合わせて咲き始め、皆さんを祝福しているように思えます。

本日ここに保健医療学部176名、助産学専攻科9名、大学院保健医療科学研究科博士前期課程23名、博士後期課程6名の皆さんを迎えて、令和6年度の入学式を挙行することができ、大変うれしく思います。

人々が安心して暮らせる地域社会を築くために、急速に進展する21世紀の高齢化時代に対応した保健・医療体制の充実は最重要課題となっています。なかでも科学技術の急速な進歩による医療の専門分化や、在宅ケアを中心とする地域医療など、幅広い医療分野に対応できるスペシャリストが、これまで以上に求められています。本学は、こうした時代のニーズに応え、これからの保健・医療・福祉の分野を支える、高い資質と豊かな人間性をもった看護職、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師などの医療専門職を育成するために、1995年4月に開学し、この4月に30年目となり、節目の年を迎えました。その間に、助産学専攻科、大学院を設置し、これまでに多くの卒業生、修了生が巣立ち、保健医療福祉分野、教育研究分野などで活躍されています。

思い返せば、開学の年1995年1月に阪神淡路大震災が発生し、多くの犠牲者が出ました。この際に初期医療体制の遅れがあり、それを契機に「災害医療派遣チームDMAT(Disaster Medical Assistance Team)」が発足しました。このDMATでは医師、看護師、その他の医療職や事務職で構成されたチームで大規模災害などの際に災害発生後、速やかに現場に赴いて急性期に対応するシステムとなっています。

このように多職種連携によるチーム医療は、日常医療の中でも非常に重要です。つまり、それぞれの医療職が専門性を発揮する中でお互いにサポートしあって良い医療を提供することが非常に重要となってきています。
医療職を目指す皆さんはこれからこの茨城県立医療大学でそれぞれの課程で多くのことを学び、ここで身につけた知識や技術を、どのような状況になったとしても柔軟に、そして弾力的に行動し、社会に貢献していかなければなりません。

まずは学部に入学された学生にとっては初めての高等教育の場となります。この春、「大学生」になる皆さんは知識を吸収し、スキルを磨く過程にあると言えます。学びの旅は終わりのないものであり、常に新しい発見と成長が待っています。
これまで皆さんは、学力テスト、検定試験、入学試験など様々な試験を受けてきたかと思います。そこでは必ず正解があります。しかし、社会の中では答えのない課題がたくさんあります。学部においては卒業研究、また大学院においては特別研究の中で答えのない課題に取り組んでいくことが必要になります。

助産学専攻科においても「出産」に立ち会う実践の場では個別の患者さん毎に課題が浮かび上がってきて、常に応用問題を解いて行かなければなりません。
したがって、これらからは教えてもらうという受動的な学修から、問題解決能力を身につけるという能動的な学修へ変わっていかなければなりません。

学部では単なる専門的な技術を学ぶばかりではなく、教養科目や外国語、さらには多職種連携といった多様な分野を学ぶことができます。
教養科目としては人文社会学から自然科学系の基礎科目があり、さらには「茨城学」、「社会とボランテイア」、「多職種連携教育」などの分野横断的な応用科目が開講されています。
皆さんにはそのような豊富な選択肢の中で自分自身の人間としての幅を広げることを積極的にめざしてもらいたいと思います。

本学では英語教育や国際交流にも力をいれております。例えば、多職種連携教育科目の一つ国際多職種協同実習があります。高雄医学大学に実習に参加した学生が、約2週間の実習を終え、先月末に帰国したばかりです。高雄医学大学の学生、教員と大変有意義で貴重な経験をすることが出来たようです。皆さんが将来国内、あるいは茨城県内で活躍するとしても、若いうちにグローバルマインドを醸成していただきたいと考えており、そのためのプログラムも提供していますので、積極的に取り組んでもらえればと思います。

大学院ではそれに加えて「研究」が非常に重要なキーワードになってきます。

湯川秀樹博士が1935年に発表した、核力を説明する中間子理論は、中間子の存在を予言する従来にない大胆な発想の理論だったため、当初は受け入れられませんでした。その後、理論通りに中間子が発見され1949年に日本人として初めてノーベル賞を受賞した湯川博士は、
「ただ流行を追っているというのは、つまらない生き方です。」、「独創的なものは、初めは少数派である。多数というのは独創ではない。」
と言っています。私自身、この言葉を意識しながらこれまで放射線技術科学の分野で研究生活を過ごしてきました。
皆さんも、失敗を恐れずに独創的なアイデアでどんどんチャレンジしていってもらえればと思います。

学部教育、助産学専攻科教育、大学院教育ではそれぞれのレベルは若干異なりますが、多くの経験を積み重ねていってもらいたいと思います。

経験は、私たちの成長と学修には不可欠です。種々の経験が今後社会で活躍するときに大きく役立つことになりますので、どんな小さな雑用であっても、それをつまらないと思わず、貴重な経験だと前向きに捉えて、積極的に取り組んでいって下さい。
多くの経験が自分の心の粘り強さの肥やしになり、将来必ずどこか活かされてくることになります。

最後になりますが、本学は充実した施設や経験豊富な教職員を準備して皆さんをお迎えしております。本学を学びの場として積極的に利用して頂き、将来に向けて大きく羽ばたくための土台としてもらえればと思います。

これをもちまして入学式の挨拶といたします。

本日は誠におめでとうございました。

2024年4月3日
茨城県立医療大学学長
阿部 慎司

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  • 【更新日】2024年4月3日
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