1995年4月、茨城県立医療大学は、21世紀の高齢化時代に対応した保健・医療・福祉の分野を支える、高い資質と豊かな人間性をもった医療専門スタッフの育成を目的として、茨城県阿見町に開学し、2025年には開学30周年の節目を迎えます。これまでに約4400名の卒業生がおり、「看護師」、「保健師」、「理学療法士」、「作業療法士」、「診療放射線技師」の国家資格を有する医療職の輩出に貢献しています。多くは茨城県内、さらには国内・国外へも人材を送り出しています。
本学では課題解決型教育、多職種連携によるチーム医療教育、シミュレーションラボによる基礎的実践能力の習得、海外大学との交流による国際性の涵養、など様々な取り組みによって、高いスキル、多様性、そしてレジリエントなマインドを有する人材の育成に努めております。
学部教育以外にも助産学専攻科を設けて、分娩を取り扱う「助産師」も育成しています。また、全国でも3箇所しかないB課程「嚥下摂食障害認定看護師」のコースを開設しており、高度な専門職を育成しています。さらに、地域で看護師を養成する看護師養成所等の専任教員をめざす方のための1年間の「専任教員養成講習会」を2013年より開催しています。
大学院として博士前期課程、博士後期課程を設けて高度医療専門職や研究職、教育職をめざす方々のための学びの場を提供しています。博士前期課程では、2024年度から、看護学、理学療法学・作業療法学、放射線技術科学の各領域に医科学領域を新たに設け、これまでの3専攻から1専攻に改組し、より学問領域横断的な教育研究が展開できるようにいたしました。また、博士前期課程において、看護学領域では「小児看護学」、「老年看護学」、「精神看護学」の専門看護師養成コース、放射線技術科学領域では「医学物理士」の養成コースもそれぞれ設けています。
本学の特徴としては、保健医療系大学では全国で唯一の付属病院を有し、茨城県内のリハビリテーションの中核となる診療活動を行っており、さらには医療職の教育・研究・実習の場としての役割を有しています。
研究についても、本学は充実した設備と高い科研費獲得率をバックに精力的に行っています。産学連携も推進しており、社会のニーズにマッチした研究成果により実用化された成果が数多くみられています。
地域貢献として、地域住民の方々をはじめ,行政,医療機関,関連する教育・学術団体などと連携しつつ、地域における保健・医療・福祉に関する課題について教育・研究を行い、問題解決の方向性を示すなど、様々な社会貢献を展開しています。
「医療の高度化」、「健康長寿社会」、「少子化対策」など様々な社会的課題に対応していく医療職は、これからの社会の中でその重要性が益々大きくなっていくと思われ、そのような課題に取り組んでいく人材を育成する当大学の役割は一層重みを増してきています。
今後とも皆様のご支援・ご指導・ご協力をよろしくお願い致します。
2024年 学長 阿部慎司