認定看護師教育課程の概要
沿革
日本看護協会は、特定の分野において熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的に認定看護師制度を発足しました。
近年、加齢や発達上の問題、疾病・治療による摂食嚥下機能に障害をもつ人に対して、医療機関や介護施設、在宅など、さまざまな場所でより専門的で高度なケアが提供できる看護師が求められています。このような状況を踏まえて、茨城県立医療大学では、日本看護協会の認定を受け平成19 年10 月より地域貢献研究センターに「摂食・嚥下障害看護」分野の認定看護師教育課程を開設しました。
その後、医療提供体制の変化や将来のニーズへ対応し、より水準の高い看護実践ができる認定看護師を社会に送り出すため、日本看護協会では、平成31 年2月に規程を改正し、特定行為研修を組み込んだ新たな認定看護師教育を開始いたしました。
本学におきましても、この趣旨を踏まえ、令和3年4月から特定行為研修を組み込んだ新たな「摂食嚥下障害看護」分野の認定看護師教育課程を開講いたします。
新たな認定看護師教育制度(B課程)
看護の専門性を基盤とした認定看護師制度(日本看護協会)と、事前に医師が作成した手順書をもとに個人の判断で特定の医療行為を行うことが可能となる特定行為研修制度(厚生労働省)を融合させたもので、教育期間は1 年、認定分野は21 分野から19 分野に統合・再編されました。
臨床推論力、病態判断力が強化されることで
あらゆる場のニーズに応えられる認定看護師を養成できる
教育理念
本認定看護師教育課程は,人間の尊重を基本として,豊かな人間性の涵養を図るとともに,あらゆる場で看護を必要とする対象に,水準の高い看護実践を提供し自律的に研鑽することができる人材を育成します。
教育目的
多様な場で生活する人々を中心とした看護を促進するために以下のことを目的とした教育を行います。
- 個人,家族及び集団に対して,高い臨床推論能力と病態判断に基づき,特定の分野における熟練した看護技術及び知識を用いて,水準の高い看護を実践できる能力を培います。
- 看護職に対して,水準の高い看護実践能力と知的資源に基づき,指導を行うことができ特定行為研修を受けた看護師は、医師の判断や指示を待たずに、事前に医師が作成した手順書をもとに個人の判断で特定行為を行うことが可能となる能力を培います。
【特定行為研修制度:臨床推論力・病態判断力の強化】 - 看護職等に対して,水準の高い看護実践能力と倫理観に基づき,コンサルテーションを行うことができる能力を培います。
摂食嚥下障害は、脳卒中や神経難病にかぎらず、頭頚部のがんを始めとする疾患やその術後など、さまざまな病態で認められ、超高齢者社会の現在において、高齢者の誤嚥性肺炎が大きな問題となっています。摂食嚥下障害看護領域の認定看護師に対する期待は、この他にも、障がいを持つ小児、精神疾患をもつ患者、在宅で暮らす患者や家族の支援など、病院から地域社会へと広がってきています。
受講定員・教育期間
課程名
摂食嚥下障害看護(B課程)
受講定員
20名
教育期間
4月から3月(12ヶ月)
年間スケジュール
令和5年4月6日
開講式、オリエンテーション
令和5年4月から9月中旬
共通科目・特定行為区分研修(e-ラーニングでの講義・集合研修による学内演習)
令和5年9月下旬から10月下旬
特定行為研修区分別実習
令和5年11月から令和6年1月中旬
専門科目(集合研修による講義・学内演習)
令和6年1月から令和6年2月
認定分野臨地実習
令和6年2月下旬から3月
統合演習
令和6年3月11日予定
修了試験
令和6年3月22日
修了式
※認定看護師の資格を取得するには、本教育課程(12ヶ月)を修了した後、日本看護協会の定める認定看護師認定審査を受ける必要があります。
教育カリキュラム
科目及び講義時間数
共通科目
臨床病態生理学 | 40時間 |
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臨床推論 | 60時間 |
臨床薬理学 | 60時間 |
フィジカルアセスメント | 60時間 |
疾病・臨床病態概論 | 54時間 |
医療安全学/特定行為実践 | 61時間 |
指導 | 15時間 |
相談 | 15時間 |
看護管理 | 15時間 |
専門科目【認定看護分野専門科目】
リハビリテーション総論 | 15時間 |
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摂食嚥下障害病態論 | 30時間 |
摂食嚥下機能評価論 | 30時間 |
摂食嚥下障害看護技術論 | 30時間 |
リスクマネジメント論 | 30時間 |
摂食嚥下障害援助論Ⅰ | 30時間 |
摂食嚥下障害援助論Ⅱ | 15時間 |
摂食嚥下障害援助論Ⅲ | 30時間 |
摂食嚥下障害援助論Ⅳ | 15時間 |
専門科目【特定行為研修区分別科目】
栄養及び水分管理に係る 薬剤投与関連 |
22時間 |
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演習/実習
統合演習 | 15時間 |
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臨地実習 | 150時間 |