![]() ![]() |
2025/02/19 現在 |
詳細情報へ 授業計画へ | << 最終更新日: 2024年11月8日 >> |
カリキュラム名 /Curriculum |
【R4カリキュラム】 | 授業コード /Course Code |
22152010 |
---|---|---|---|
授業科目名 /Course Name |
病原微生物と免疫 | 時間数 /Time |
45時間 |
単位数 /Credits |
2 | 必修・選択 /Subject Choice Type |
必修 |
履修年次 /Year |
1年 | 科目区分 /Course Group |
専門基礎科目 |
対象学生 /Target |
看護学科 , 理学療法学科 , 作業療法学科 , 放射線技術科学科 | ||
科目責任者 /Responsible Person |
桜井 直美 | 他専攻学生の履修 /Other Major Students |
‐ |
担当教員 /Instructor |
|||
開講学期および日時について の備考 /Notes |
後期木曜3限 後期後半火曜4限 看護学科:必修 理学療法・作業療法・放射線技術科学科:選択 |
開講学期 /Semester Offered |
曜日 /Day |
時限 /Period |
---|---|---|
後期 | 火曜日 | 4 |
後期 | 木曜日 | 3 |
授業の概要 | 主たる病原微生物の概念、性質及び特徴をふまえ、感染・発症、生体と病原微生物の相互関係を理解する。また、新興感染症や再興感染症、院内感染や日和見感染等の概念を理解し、感染に対する医療職の役割および予防対策の理論と実際について学ぶ。さらに、生体防御機構としての免疫の役割、免疫の概念とその機構を解説する。自然免疫の働きや体液性免疫における抗体の多様性や細胞性免疫における MHCの多様性について説明する。免疫反応による感染防御について理解を深める。加えて、実験実習においては、将来医療職として感染症患者や生体湿性物質に含まれる種々の病原微生物に接触することを考慮し、必要な病原微生物に対する知識を体得し、適切な感染予防を実施できる基礎技術を習得する。 |
---|---|
授業のキーワード | 病原微生物、原虫、真菌、細菌、ウイルス、遺伝、代謝、感染、感染症、感染予防、化学療法、生体防御反応、滅菌、消毒、検査と診断 |
授業の目的 | 病原微生物と感染、疾病の発症と生体影響、化学療法、感染予防対策等について、医療職として必要な基礎的知識を身につけ、免疫の概念、生体防御機構における免疫反応の多様性を理解する。また、実験を通して、医療職として行うべき感染予防についての技術を習得する。 |
授業の到達目標 |
1 病原微生物の概念を、その発見の歴史を含めて説明できる。 2 病原微生物の種類、分類を説明できる。 3 真核生物と原核生物の転写および翻訳機構の違いについて遺伝学的に説明することができる。 4 毒素産生や薬剤耐性などの病原性の獲得機序について遺伝学的に説明することができる。 5 微生物の代謝について概説できる。 6 病原微生物の増殖、培養、保存方法について説明できる。 7 人体と病原微生物の相互関係から、感染防御機構を説明できる。 8 滅菌・殺菌・消毒の違いを説明し、具体的な手法を例示できる。 9 病原体としての微生物の各論(細菌、真菌、ウイルス、寄生虫、その他)を説明できる。 10 化学療法の概念および主たるものを挙げて説明できる。 11 感染症法を概説し、予防対策を説明できる。 12 日和見感染症、医療関連感染症について説明し、医療職として必要な基本事項を提示できる。 13 免疫機構の概念を具体的に述べることができる。 14 免疫担当細胞とその相互関係について説明できる。 15 自然免疫の仕組みについて説明できる。 16 獲得免疫(細胞性免疫および液性免疫)や免疫記憶の仕組みについて述べられる。 17 粘膜免疫のしくみについて概説できる。 18 感染症の診断方法として汎用されている手法を挙げ、それらの特徴について説明できる。 19 実験で病原微生物を取り扱う際の注意点について説明し、行動することができる。 20 講義で学習した病原微生物のうち代表的な、大腸菌、黄色ブドウ球菌、グラム陽性有芽胞桿菌の特性について各種染色法、性状確認培地での培養結果から、その特徴について提示できる。 21 病原微生物による感染に対する予防策の具体的な手技として、蛍光色素を用いた手洗い法の検証、スタンプ培養法による消毒薬の効果の判定から感染予防の意義を説明できる。 22 臨床分離株(黄色ブドウ球菌とMRSA、感受性緑膿菌と耐性緑膿菌)を用いた感受性試験より薬剤耐性という現象と、その制御方法について医療職としてのそれぞれの立場から考察できる。 23 糸状型真菌と酵母型真菌の培養と染色による観察を行い、形態の特性から感染・消毒・治療について考察できる。 24 特殊な細菌として、トリ型結核菌について抗酸性染色により観察し、染色法の違いから菌の特性を考察できる。 25 ゲル内沈降反応(オクタロニー法)で沈降線が観察される理由を説明できる。 |
授業時間外の学習に関する事項 | 授業については、事前に提示する講義資料に基づき、教科書と照らし合わせて予習をしてください。実習については、実習内容をあらかじめ把握するとともに、オンデマンドで提示されている実験手技の動画を視聴してきてください。また、実習書に記載されている事前に学習が必要な項目についての予習をしてください。 |
教科書 |
1) 系統看護学講座 疾病の成り立ちと回復の促進(4)微生物学 医学書院 2022年 2) 茨城県立医療大学 「病原微生物と免疫」 実習書 |
参考文献・その他資料 |
1) 微生物学・感染看護学‐微生物から感染防止を考える‐ 第2版 岡田忍他編 医歯薬出版株式会社 2021年 2) ブラック 微生物学 第8版 林英生他監訳 丸善出版 2015年 3) シンプル微生物学(第6版) 小熊 惠二他著 南江堂 2018年 4) 標準微生物学(第15版) 中込治 他編 医学書院 2024年 5) わかる!身につく!病原体・感染・免疫 第3版 藤本秀士編著 南山堂 2017年 6) はじめの一歩のイラスト感染症・微生物学 本田武司/編 羊土社 2011年 7)好きになる免疫学 第2版 萩原清文著 講談社 2019年 8)もっとよくわかる!免疫学 河本宏 著 羊土社 2011年 9)病気が見えるvol.6 免疫・膠原病・感染症 森尾友宏他監 株式会社メディックメディア 2018年 10)新しい免疫入門 第2版 免疫の基本的な仕組み 審良静男他著 講談社 2024年 |
成績評価方法 |
実験レポート:実験結果について適宜提出 45% 筆記試験:学期末に行う 55% 【再受験の取扱:講義部分のみ有、 出席時間数要件:4/5以上】 |
担当教員から |
この科目は講義+実験実習で構成されています。シラバスには、講義内容を1~15回、実験実習内容を16~23回に記載してあります。 感染症の脅威が世界中で新興し、また再興する今日、病原微生物と生体との関わり、医療関連感染や日和見感染に対する感染防御、最先端の免疫など、医療職にとって欠かせない重要な分野です。「生物」としての病原微生物の生態・挙動を理解し、医療の現場へ応用させていきましょう。 実験実習では、講義で学習した内容を実験・観察し理解を深めていきます。特に感染予防についての手技・技術はすべての医療職にとって必須となってきています。病原微生物を必要以上に怖がらず、適切な取り扱いができるようにしっかりと楽しく有意義に学習していきましょう。 なお、学年暦の日程によって、授業計画や実習内容が前後する場合があります。 質問などは桜井(sakurai@ipu.ac.jp、研究室4)まで。来室前にメールで連絡をして在室時間を確認してください。 |
受講条件 | 特になし |
実務経験を有する担当教員 | 桜井直美 ICD(Infection control doctor)の実務経験から、微生物の性質や特性、疾患、感染伝播、予防などについての授業を行う。 |
回 /Times |
時間 /Time |
授業内容 /Methods and contents |
授業の到達目標 /Attainment Target |
担当教員 /Instructor |
教授・学習法 /Learning Method |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 病原微生物の定義1 微生物の発見と歴史、種類、形態 【細菌、ウイルス、真菌、原虫】 | 1・2 | 桜井 | 講義 |
2 | 2 | 病原微生物の定義2 微生物の構造、増殖、分類【細菌、ウイルス、真菌、原虫】 | 2・5・6 | 桜井 | 講義 |
3 | 2 | 微生物の遺伝と代謝 細菌の転写及び翻訳機構、毒素産生や薬剤耐性に係る遺伝子とその役割、遺伝による病原性の獲得【プラスミド、接合遺伝、F因子、転移、ファージ】 代謝【栄養代謝、エネルギー代謝、毒素産生】 |
3・4・5 | 桜井 | 講義 |
4 | 2 | 感染防御機構1 免疫学の概要 【免疫とは(自己と非自己 )、免疫担当細胞、異物の認識、サイトカイン】 自然免疫 【マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、食細胞、補体】 |
13・14・15 | 桜井 | 講義 |
5 | 2 | 生体防御機構2 獲得免疫 【抗原抗体反応、MHC(Major Histocompatibility Complex、主要組織適合抗遺伝子複合体)、細胞性免疫(T細胞)、液性免疫(B細胞、形質細胞、免疫グロブリン)、免疫記憶】 粘膜免疫 【腸管免疫(パイエル板)】 抗原抗体反応を利用した検査・診断例 |
14・16・17 | 桜井 | 講義 |
6 | 2 | 感染と感染症 【感染の定義、感染源、宿主、感染経路、侵入門戸】 感染予防対策と予防法 【感染症法、感染予防対策、標準予防策、感染経路別予防策、ワクチン】 |
1・2・7・11・12 | 桜井 | 講義 |
7 | 2 | 微生物の滅菌と消毒 【滅菌方法とその特徴、消毒、消毒薬の特性】 | 8 | 桜井 | 講義 |
8 | 2 | 感染症の診断 【病原体の検出法(培養法、血清学的検査法、遺伝学的検査法)、生体反応からの診断法(標識抗体法、補体結合反応など)】 | 18 | 桜井 | 講義 |
9 | 2 | 感染症の治療 【化学療法、抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、薬剤耐性菌】 | 10・12 | 桜井 | 講義 |
10 | 2 | 病原真菌【真菌の構造、代謝、増殖、深在性真菌症、深部皮膚真菌症、内臓真菌症】 原虫【原虫の種類と構造の特徴(根足虫類、鞭毛虫類、胞子虫類、繊毛虫類)、病原性など】 |
9 | 桜井 | 講義 |
11 | 2 | 病原細菌各論1 【グラム陽性菌、グラム陽性桿菌、抗酸菌とグラム陰性桿菌などの呼吸器系感染症起因菌】 | 9 | 桜井 | 講義 |
12 | 2 | 病原細菌各論2 【性感染症(梅毒トレポネーマ、淋菌、クラミジア)】 | 9 | 桜井 | 講義 |
13 | 2 | 病原細菌各論3 【腸内細菌科の特徴と消化器感染症、医療関連感染起因菌(緑膿菌、セラチア菌、多剤耐性菌など】 ウイルス各論1【DNAウイルスの性状と病原性】 |
9 | 桜井 | 講義 |
14 | 2 | ウイルス各論2【RNAウイルスの性状と病原性1】 | 9 | 桜井 | 講義 |
15 | 2 | ウイルス各論3【RNAウイルスの性状と病原性2】 | 9 | 桜井 | 講義 |
16 | 1 | 実習ガイダンス【実習室使用時の注意点、病原微生物取扱い時の注意など】 | 19 | 桜井 | 講義 |
17 | 2 | 病原微生物の観察 【病原細菌、環境常在菌の培養、グラム染色、抗酸性染色、真菌の観察】 | 19・ 20・ 23・ 24 | 桜井 | 実験 |
18 | 2 | 手洗い・消毒の効果1 【各種消毒薬の効果の培養法による観察】、感染伝播様式の観察 【模擬排泄物による接触伝播様式の観察】 | 8・19・21 | 桜井 | 実験 |
19 | 2 | 手洗い・消毒の効果2 【消毒効果判定(培養結果観察、コロニー観察、染色による観察)】 | 8・19・21 | 桜井 | 実験 |
20 | 2 | 抗原抗体反応の観察【オクタロニー法】 | 16・ 25 | 桜井 | 実験 |
21 | 2 | 薬剤感受性試験 【抗菌薬、MRSA、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、ディスク拡散法】 | 10・12・19・22 | 桜井 | 実験 |
22 | 2 | 病原微生物の同定と観察1 【培養結果の観察(コロニー形状、グラム染色像の観察)】 | 19・ 20 | 桜井 | 実験 |
23 | 2 | 病原微生物の同定と観察2 【ラテックス凝集反応、生化学的性状確認試験、同定】 | 19・ 20 | 桜井 | 実験 |