授業科目名:【H21カリキュラム】病原微生物と免疫(1050)担当教員:◎桜井直美 未定 

開講学期および日時:
  後期  水曜日   3時限
  後期後半  火曜日   5時限
2年次[選択]  2単位  45時間

(授業概要)
主たる病原微生物の概念、感染・発症、さらに生体と病原微生物の相互関係を理解する。また、新興感染症や再興感染症、院内感染や日和見感染等の概念を理解し、感染に対する医療職の役割および予防対策の理論と実際について学ぶ。さらに、生体防御機構としての免疫の役割、免疫の概念とその機構を解説する。体液性免疫における抗体の多様性や細胞性免疫における MHCの多様性について説明する。免疫反応による感染防御について理解を深める。また、実験実習においては、将来医療職として感染症患者や生体湿性物質に含まれる種々の病原微生物に接触する危険性を考慮し、必要な病原微生物に対する知識を体得し、適切な感染予防を行えるような基礎技術を習得する。

(教育目標)
病原微生物と感染、疾病の発症と生体影響、化学療法、感染予防対策等について、医療職として必要な基礎的知識を身につけ、免疫の概念、生体防御機構における免疫反応の多様性を理解する。また、実験を通して、医療職として行うべき感染予防についての技術を習得する。

(行動目標)
1 病原微生物の概念を、その発見の歴史を含めて説明できる。
2 病原微生物の種類、分類を説明できる。
3 病原微生物の形態・機能・代謝・遺伝についてその特徴を挙げて説明できる。
4 病原微生物の増殖、培養、保存方法について説明できる。
5 人体と病原微生物の相互関係から、感染防御機構を説明できる。
6 滅菌・殺菌・消毒の違いを説明し、具体的な手法を例示できる。
7 病原体としての微生物の各論(細菌、真菌、ウイルス、寄生虫、その他)を説明できる。
8 化学療法の概念および主たるものを挙げて説明できる。
9 感染症予防法を概説し、予防対策を説明できる。
10 高齢化社会と日和見感染症、院内感染症について説明し、医療職として必要な基本事項を提示できる。
11 免疫機構の概念を具体的に述べることができる。
12 免疫担当細胞とその相互関係について説明できる。
13 多様な抗原に対する抗体を産生するB細胞の多様性について説明できる。
14 T細胞の認識に関るMHCの多様性について説明できる。
15 体液性免疫反応について記述し、免疫記憶機構を提示できる。
16 細胞性免疫反応について記述し、免疫担当細胞間の情報交換について述べられる。
17 感染症の診断方法として汎用されている手法を挙げ、それらの特徴について説明できる。
18 講義で学習した病原微生物のうち代表的な、大腸菌、黄色ブドウ球菌、枯草菌の特性について各種染色法、性状確認培地での培養結果から、その特徴について提示できる。
19 病原微生物による感染に対する予防策の具体的な手技として、蛍光色素を用いた手洗い法の検証、スタンプ培養法による消毒薬の効果の判定から感染予防の意義を説明できる。
20 臨床分離株(黄色ブドウ球菌とMRSA、感受性緑膿菌と耐性緑膿菌)を用いた感受性試験より薬剤耐性という現象と、その制御方法について医療職としてのそれぞれの立場から考察できる。
21 糸状型真菌(環境由来)と酵母型真菌(カンジダ・アルビカンス)の培養と染色による観察を行い、形態の特性から感染・消毒・治療について考察できる。
22 特殊な細菌として、トリ型結核菌について抗酸性染色により観察し、染色法の違いから菌の特性を考察できる。

(授業計画)
時間授業内容行動目標担当教員教授・
学習法
12病原微生物の定義 微生物の発見と歴史【細菌,ウイルス,真菌,原虫】 病原微生物の形態 微生物の構造【原核生物,真核生物,球菌,桿菌,芽胞,ベン毛,核,プラスミド】 病原微生物の種類 微生物の分類【グラム染色,同定,命名】1,2,3桜井講義
22細菌、真菌の性質 【形態、構造、代謝、増殖の特徴】2,3,4桜井講義
32ウイルス、原虫の性質 【形態、構造、代謝、増殖の特徴】2,3,4桜井講義
42感染防御機構と宿主 【宿主生体反応】 免疫学の概要 【免疫とは(自己と非自己、class I MHC,class II MHC)、自然免疫(急性期反応,炎症、補体,食細胞,サイトカイン)】 5,11,12,14桜井講義
52獲得免疫 【B細胞の分化と抗体の機能(B細胞受容体,IgD,IgM,IgG,IgA,IgE)、T細胞の認識と機能(抗原提示細胞,ヘルパーT細胞,キラーT細胞,class I MHC,class II MHC】11,12,13,15,16桜井講義
62感染と感染症 【感染の定義,感染源,宿主,感染経路,侵入門戸】 感染予防対策と予防法 【感染症法,感染予防対策、ワクチン】5,9,10桜井講義
72手洗いの効果 【蛍光色素を用いた観察】19桜井,未定実験
82微生物の滅菌と殺菌、消毒 【滅菌と殺菌,消毒】 6桜井講義
92消毒薬の効果1 【各種手指消毒薬の消毒効果をスタンプ培養法により検討する】19桜井,未定実験
102消毒薬の効果2 【消毒薬の効果判定(培養結果観察,コロニー観察,染色による観察)】19桜井,未定実験
112感染症の治療 【化学療法,抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、薬剤耐性菌】8,10桜井講義
122薬剤感受性試験1 【抗菌薬、MRSA、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、ディスク拡散法】20桜井,未定実験
132薬剤感受性試験2 【結果判定,薬剤耐性,医療職における耐性菌制御についての考察】20桜井、未定実験
142感染症の診断 【病原体の検出法(培養法,血清学的検査法,遺伝学的検査法),生体反応からの診断法(標識抗体法,補体結合反応など)】 17桜井講義
152病原細菌各論1 【グラム陽性球菌、グラム陽性桿菌、抗酸菌】3,7桜井講義
162病原細菌各論2 【グラム陰性桿菌(消化器系感染症起因菌,呼吸器系感染症起因菌,性感染症起因菌,その他)、マイコプラズマ,リケッチア,クラミジア】3,7桜井講義
172病原真菌 【真菌の構造,代謝,増殖,表在性真菌症,深在性真菌症】、病原原虫 【病原原虫の種類と構造の特徴(根足虫類,鞭毛虫類,胞子虫類,繊毛虫類),病原性など】3,7桜井講義
182病原微生物の観察1 【病原細菌の培養,グラム染色、ラテックス凝集反応による同定】18桜井,未定実験
192病原微生物の観察2 【培養結果の観察(コロニー形状の観察)、抗産菌、真菌の染色法を用いた観察】18,21,22桜井,未定実験
212病原ウイルス総論 【ウイルスの種類,増殖・代謝の特徴,感染の特徴、分類(DNAウイルス、RNAウイルス】3,4,7(未定)講義
222病原ウイルス各論 【DNAウイルスの病原性および症状,RNAウイルスの病原性および症状】3,7(未定)講義
201実験まとめ18,19,20,21,22桜井、未定講義
232総括、評価(試験)桜井、未定

総括的評価
通常点:講義への参加状況 7% 実験レポート:実験結果について適宜提出 40% 筆記試験:学期末に行う 53%  【再受験の取扱:講義部分のみ有, 出席時間数要件:4/5以上】

教科書:
1) 系統看護学講座 疾病の成り立ちと回復の促進(3)微生物学 医学書院
2) 茨城県立医療大学 病原微生物と免疫 実習書
3) 中内啓光 免疫学早わかり講座 羊土社

参考書:


その他資料:


担当教員から
感染症の脅威が世界中で新興し、また再興する今日、病原微生物と生体との関り、また、高齢化社会における院内感染や日和見感染に対する感染防御、最先端の免疫など、医療職にとって欠かせない重要な分野です。 実験実習では、講義で学習した内容を実験・観察し理解を深めていきます。特に感染予防についての手技・技術は医療職には必須となってきています。病原微生物を必要以上に怖がらず、適切な取り扱いができるようにしっかりと楽しく有意義に学習していきましょう。 実験手技が共通しますので、生物学実習を履修しておくことが望まれます。