授業科目名:【H21カリキュラム】教育学(1036)担当教員:飯田浩之 

開講学期および日時:
  前期  月曜日   1時限
1年次[選択]  2単位  30時間

(授業概要)
 人間の生活・人生が人と人とのかかわり合いのなかで文化を学ぶこと,また,そのことによって社会に参入することで成り立っているとの見方から,人間の生活・人生を「文化化・社会化」の過程としてとらえ,そのメカニズムについて学習する。さらに,その過程を,広い意味での「教育」として捉え,家族や地域社会,学校における「教育」の実際について考察する。と同時に,「教育」を,人間の生活・人生の質(クオリティ・オブ・ライフ)の向上をめざすものとして捉え,そうした「教育」を実現するための方策について考える。そして,このような意味での「教育」が,福祉や医療の現場でも展開されている,あるいは展開されることが期されていることを理解することで,福祉や医療の現場における「教育」の実際とそのあり方について考える手がかりとする。

(教育目標)
 人間の生活・人生における「教育」の意味と実際について理解を深める。同時に,より望ましい生活・人生を実現するための「教育」についての見方・考え方を養う。さらに,医療の現場で「教育」に携わることについての意欲・関心を高める。

(行動目標)
1 生活・人生を送る者として,医療に従事しようという者として,教育の営みに関心を向ける。
2 人間の生活・人生において「人とのかかわり合い」「文化の学習」がなぜ重要かを説明できる。
3 人間の生活・人生を「文化の学習」による「社会への参入」(文化化・社会化)の観点から説明するとともに,その理論の概要を,人々の生活・人生の実際と関わらせて説明できる。
4 文化化・社会化として,我々の周囲に偏在する「教育」の作用を述べられる。
5 家族・地域・学校のもつ「教育」の作用を,その現状とともに的確に分析し説明できる。
6 人々の生活・人生の質(クオリティ・オブ・ライフ)の向上をめざすものとして「教育」を捉えた場合,今日の教育にどのような問題があるのか,その問題を解決するためにはどうしたらよいのか,自分の考えを述べられる。
7 医療大学の特徴である「地域医療」を念頭に,「地域医療」における「教育」の課題を,自身に引き付けて述べられる。
8 医療大学の特徴である「地域医療」を念頭に,「地域医療」における「教育」の課題を,自身に引き付けて述べられる。
9 生活・人生の質の向上につながる「教育」のあり方および具体的方策を,福祉・医療現場に立脚しつつ,述べられる。
10 医療従事者として「教育」に携わる場合の基礎的な構えについて説明できる。

(授業計画)
時間授業内容行動目標担当教員教授・
学習法
12「教育」について見聞きし、考えること、「教育学」を学ぶこと-授業を始めるにあたって-1飯田講義
22人々の生活・人生と文化・社会【生命・生活・人生,Welfare,ケアとしての教育】 1飯田講義
32文化化・社会化の過程としての人々の生活・人生【対象世界,文化,社会,文化化,社会化】 2飯田講義
42文化化・社会化の理論(1)【ヒトの可塑性,野生児,生理的早産,社会過程,集団過程】2,3飯田講義
52文化化・社会化の理論(2)【発達課題,役割取得,文化化・社会化と人間のWelfare】 2,3飯田講義
62文化化・社会化の理論(2)【発達課題,役割取得,文化化・社会化と人間のWelfare】 4飯田講義
72家族における教育の作用(1)【文化化・社会化のエージェント,家族集団,近代家族,<子ども>の発見】 5,6飯田講義
82家族における教育の作用(2)【現代家族,少子化,小家族化,家族内コミュニケーション,教育と家族のWelfare】 5,6飯田演習
92地域社会における教育の作用(1)【地域社会,地域の教育力,教育の地域主義】5,6飯田講義
102地域社会における教育の作用(2)【地域の崩壊,地域の再編,地域医療,教育と地域のWelfare】 5,6,7飯田講義
112学校における教育の作用(1)【学校の歴史,近代学校,学校問題】 5,6飯田講義
122学校における教育の作用(2)【教育改革,学校と児童・生徒のWelfare】 5,6飯田講義
132今日の教育問題とその解決【社会化不全,競争社会,人と人の関係性,責任・信頼】 8飯田講義
142クオリティ・オブ・ライフの向上を目指す教育の実際 ─福祉と医療の現場において─【福祉社会,社会サービス,子育て支援,医療支援,教育支援,支援教育,教育と医療,教育のなかの医療,医療のなかの教育】9,10飯田演習
152試験飯田

総括的評価
レポート及び筆記試験。  【再受験の取扱:有, 出席時間数要件:2/3以上】

教科書:
門脇厚司『子どもの社会力』岩波書店,1999年。

参考書:


その他資料:


担当教員から
 医療も教育も,人々の生活・人生の質を高めていくためのものです。その点で,医療と教育は,共に相携える必要があると思います。医療の場にも「教育の作用」があります。人々がそれぞれの生活と人生をよりよいものにできるよう,教えたり導いたりする作用が見てとれます。この授業を通じて,私は皆さんとともに,そうした作用の依って立つ基盤を探ってみたいと思っています。と同時に,そうした作用の実際を,幅広く,今という時代や社会において把握してみたいと思います。福祉や医療の現場のなかにも探ってみたいと考えます。皆さんが医療の場で人々を「教育」する立場に立った時に,ふっと,思い出せるような授業・・・そんな授業を展開できればと思います。 連絡教員:落合幸子(研究室55,メール可)