茨城県専任教員養成講習会 修了生のメッセージ

令和2年度修了生 日立メディカルセンター看護専門学校 横田和

 私は保健師として地域で働いている際に、地域の看護師数が少ないことが理由で必要な支援を受けられない人が多くいるという現状を目にしてきました。そのような経験から、私自身が地域で働く看護師の育成に携わる仕事がしたいと考えて看護教員への道を目指し、この専任教員養成講習会を受講しましました。

 この講習会では、教育についての知識や技術はもちろんのこと、論理的思考や情報科学、発達心理学、哲学などといった基礎分野についても改めて学び直すことができ、教員になるうえでの土台を一から築いていくことができます。また専門分野においては、自分の専門領域だけではなく、全領域の現状と課題を学ぶことで看護を多角的に見つめなおす機会となりました。そしてその思いを教育実習で実践することで、看護教育における自分の「願い」が明確になっていきます。講義、教育実習を通し多くのことを学ぶことが出来るので、確実に自分のキャリアアップにつながる講習会になります。

 ここ茨城県立医療大学は、学ぶ場として恵まれた環境です。図書館は専門書が数多く貯蔵されており、論文等の文献検索もすることができ、授業の自己学習やグループワークでの調べ学習で使用し、より深い知識を得ることが可能です。また、共同研究室や演習室に設備されているプロジェクターやスクリーンを使用することで情報共有が円滑にでき、有意義なディスカッションを行うことが可能です。

始まる前は新しい環境での1年間ということに不安が強かったです。またそれに加えて、本年度はコロナ禍での講習会受講となり心配な面が多くありました。しかし、このような環境下においても講習会運営に係わる方々のご協力で、安心して学びに集中することができました。講習会には様々な経験や知識をもった受講生が集まります。その受講生同士での交流から、自分が今まで知らなかった知識や、体験に触れることで新しい看護観が培われていくことを実感することができます。私はこの一年間を通して、受講生同士尊重し合いながら共に成長できたと感じています。

みなさんもこの講習会を受講し、自分の学びを深めてみてはどうでしょうか。教育に関する部分はもちろん、様々なことを学び成長できる1年になるはずです。少しでも興味のある方はぜひ受講してください。


平成30年度修了生 報徳看護専門学校 福岡真利奈

H30専任修了生 報徳看護専門学校 福岡真利奈 教員は私が子どもの頃からの夢でした。20代で教員を目指して良いのか、経験が不足しているのではないかという思いもありましたが、学生時代の経験や気持ちがまだ鮮明であり、実習指導者として患者や病棟スタッフの思いにも触れることができた今だからこそ見える教育の世界もあると思い、病院を退職し教員の道に進むことを決意しました。

 本講習会では、教育における基礎的知識だけではなく哲学や論理的思考など人として学生とどう関わるか考えさせられる授業も多く、様々な視点から看護と教育について学ぶことができます。また、授業で学習したことを深化させるため、グループワークが多く取り入れられています。様々な経験や知識を持つ仲間の考え方や意見に触れることで、改めて気づかされることや、自己の見ていた看護と教育の世界が広がっていくことを実感することができます。 

 講習会の主体である茨城県立医療大学は、学習環境が充実しており、情報処理室や図書館を利用し必要な時に文献検索をすることや共用のパソコンにてSPSSを利用することも可能です。加えて、ホワイトボードやプロジェクターが備え付けられている演習室を使用し、視覚データを共有しながらワークを進めることも可能です。

 私がこの講習会を通し、学んだことは、『学生は、自己を映し出す鏡である』ということです。『人を想い、その人の最善を常に創造する』ためには、常に初心に立ち返り自己を見る必要があります。医療職に長年従事していると様々な経験から見えなくなってしまうこともたくさんあります。それに気づかせてくれるのは学生です。初心を忘れずに、学生と共に看護の楽しさや新たな視点の発見ができる教員でありたいと思っています。

 講義や演習、教育実習など1年を通して学ぶことは多くあります。時には、グループワークや課題が重なり大変に思うこともありましたが、1年を振り返ると毎日が充実し、楽しかったことばかりが蘇ります。多くの講師の方々からの指導やクラスの仲間に支えられながら講習会を修了することができました。講習会受講後、就職先も決定し、教育実習での経験も活かし授業設計をすることができています。少しでも教員や看護教育に興味がある方は、受講をお勧めします。


平成29年度修了生 茨城県立中央看護専門学校 北野智子

H29年度修了生 茨城県立中央看護専門学校 北野智子 学校という場において看護教育に携わることになり,「教育とは」と自分に問いかけながら,目指す教員像も見いだすことができなかった中,自分の気持ちの変化を感じるきっかけとなったのは,「実習指導者講習会(特定分野:助産)」に参加したことです。教育に携わる大学教員・養成所教員・臨地実習指導者とともに,「より効果的な学生指導のために」を目的として学びあうことは,参加者の看護観・助産観や指導観に触れ,そして自分自身を見つめなおす貴重な機会となりました。同時に,この場で一緒に学びあえることの喜びや掘り下げて探求していくことへの興味が湧いたことが受講のきっかけとなりました。

 講習では,看護教育に必要な知識・技術の習得をはじめ,教育課程の成り立ち・現行カリキュラムの特性を理論やグループワークを通して系統的に学び,多角的な視点で理解を深めることができました。また,教育担当教員・講師の先生方にサポートをいただきながら効果的に学習をすることができ,そこから,ひとりの学生を「看護師・助産師にする」ために必要となる,看護・助産を実践する能力と専門職者として研鑽し続ける能力の必要性,そして,教育に携わる人々の熱意を感じました。学び方を“学ぶ”こと,そして,生涯学習者として成長し続ける重要性を感じた1年となりました。

 講習会では,年齢・経験など様々な背景をもった受講生が集まります。その貴重な経験や培った看護観など,多くの刺激を受け,充実した毎日でした。受講生の結束力も強く,講習会が開催されて以来初の『クラスTシャツ』も作成しました。グループワーク・演習の発表等に皆で着用し,気持ちを一つにして臨んだことは,大切な思い出です。

 受講生の仲間に出逢え,共に学んだ1年間は,私の貴重な財産でもあり,またこれから教員として歩んでいく「糧」になると思います。苦楽を共にして学んだ仲間が頑張っていると思うと,それだけで心強く支えになります。

 みなさんもぜひ本講習を受講し,看護教育の魅力や面白さを探求してください。自分自身の新たな一面の発見や,迷ったり悩んだりすることへの解決の糸口がきっと見つかると思います。


平成29年度修了生 いわき市立総合磐城共立病院 緒方仁美

H29年度修了生 いわき市立総合磐城共立病院 緒方仁美 私は、新人看護師や後輩看護師との関わりを通し、相手に「伝える」「伝わる」とはどういうことなのかと疑問を持ち、看護教育に興味を抱きました。未来ある看護学生や新人看護師を支え、成長を共に喜び合える存在になりたいと思い、教員養成講習会に参加しました。

 本講習会は、主体が茨城県立医療大学であるため、大学の図書館や実習室などが利用でき、学習環境が充実しています。さらに、講習会担当教員との面接が、頻回に実施されます。相談できる担当教員の存在はとても心強く、見守られている実感がありました。講習会担当の事務職員も在籍し、講義の準備や事務手続きをスムーズに行うことができます。教育実習前には、前年度の修了生と教育実習や講習会についての交流会が開催されます。講習生が安心して講習会に臨めるよう、サポート体制が整っていました。

 講習会は、11カ月と長期に渡りますが、振り返るとあっと言う間に過ぎていきました。当初私は、自分に看護教員が務まるのか不安が強かったのですが、学習や仲間との交流により、徐々に不安が軽減し、前向きな気持ちに変化していきました。講義の中で、講師の先生方は、知識・技術や教育経験を多角的に教授してくださり、看護教育への学びを深め、広い視野を育むことが出来ました。教育実習や多重課題で苦労していると、仲間が助けてくれました。年齢や出身地も違いますが、同じ目標に向かい、互いに励まし合い団結力を強めていきました。素敵な仲間に出会い、講習会での学びは、私にとってかけがえのない財産となりました。

 修了生として、受講希望の皆さんの挑戦を応援しています。不安もあると思いますが、同じ志を持った仲間、講習会担当教員や事務職員、講師の先生方や教育実習校の先生方、多くの方が支えてくれます。平成29年度生は、茨城県内の様々な地域から受講していました。県外からの受講者は、大学が存在する阿見町周辺で生活しました。大学の周辺は、アパートが多く、ドラックストアやスーパーがあり、学習に集中できる住環境でした。茨城県内及び全国各地からの受講をお待ちしています。受講希望の皆さんが、本講習会を受講し、看護師・看護教員として前進し、有意義な時間を過ごせることを願っています。