学長挨拶
本学は茨城県立の医療大学として1995年に茨城県阿見町に開学して、創立25年という四半世紀を超える歴史を積み上げてきました。
これまでに約4000名弱の卒業生がおり、「看護師」、「保健師」、「理学療法士」、「作業療法士」、「放射線技師」の国家資格を有する医療職の輩出に貢献しています。多くは茨城県内、さらには国内・国外へも人材を送り出しています。
学部教育以外にも助産専攻科を設けて、分娩を取り扱う「助産師」も育成しています。また、専門看護師資格として「小児看護学」、「老年看護学」の教育コース、さらには全国でも4箇所しかない「嚥下摂食障害認定看護師」のコースを開設しており、高度な専門職を育成しています。また、地域で看護師を養成する看護師養成所等の専任教員をめざす方のための1年間の「専任教員養成講習会」を平成25年より開催しています。
大学院として博士前期課程(修士)、博士後期課程を設けて高度社会人や研究職、教育職をめざす方々のための学びの場を提供しています。放射線技術科専攻においては海外ではすでに国家資格となっている「医学物理士」の課程も設けており、今後益々増える放射線治療の高度化に対応できる人材の育成にも力を入れています。
本学の特徴としては日本でも医学部以外で唯一の付属病院を有し、茨城県内のリハビリテーションの中核となる診療活動を行っており、さらには看護、理学療法、作業療法、放射線技術等の医療職の教育・研究・実習の場としての役割を有しています。
現代社会の中では「医療」、「健康」が最も重要なキーワードとなってきています。本学では社会的な課題となっている「医療の高度化」、「健康長寿社会」、「少子化対策」、「医師不足対策におけるタスクシフテイング、タスクシェアリング」、「学校、職場などにおける健康維持」など様々な課題に取り組んでいます。このような課題に対応していく医療職はこれからの社会の中でその重要性が益々大きくなっていくと思われ、そのような課題に取り組んでいく人材を育成する当大学の役割は一層重みを増してきています。
本学では課題解決型教育、多職種連携によるチーム医療教育、シミュレーションラボによる基礎的実践能力の習得、海外大学との交流による国際性の涵養、など様々な取り組みによって、実力の高い、多様性のある、そしてレジリエントなマインドを有する人材の育成に努めております。
研究についても、茨城県立医療大学は充実した設備と高い科研費獲得率をバックに精力的に行っています。産学連携も推進しており、社会のニーズにマッチした研究成果により実用化された成果が数多くみられています。
今後とも皆様のご支援・ご指導・ご協力をよろしくお願いします。
2020年 学長 松村明